「家系ラーメンを名乗るのなら、ウチが大事にしている酒井製麺を使うのが前提でしょう。それがないのに家系とはよく言えたものです。
以前、ウチのポストに某・家系チェーンのチラシが12枚も入っていたんですよ。
その店にチラシを返しに行くと同時に、“工場スープのくせに、職人なめんなよ!”とも言っておきました。
ああいった『工場スープ』の店で働いている人は独立できないですよね。工場がトラブったら何も作れない。
実力はつかないけど、その反面、デカい声をあげて“いらっしゃいませぇ!”と絶叫するスタイルの接客に力入れたりしています」

 この店主が蔑称する「工場スープ」とは?

「元締めとなっている会社が作るスープに頼りきっているということです。実際は頭ともう一種ぐらいしか豚骨を使っていないのでは。
あとは化学調味料で、その量はハンパない。あのスープの薄さで濃厚な味は普通出ません。我々の『兄弟』たちは、チェーンの存在にイライラしています」
ホントの「家系」と思われるのが…

 亜流がはびこる以前は、少し離れた店まで電車に乗って家系を食べに行く――。そんな“風習”も少なくなかった。

「結局、価値が下がってしまいますよね。人気の家系を食べられる。これって功罪で言えば『功』かもしれないけれど、それがホントの『家系』と思われるのがイタい。
どこも家系を謳っているし、店舗数も多い。こうした店でしか食べたことがない人が“家系なんて大したことない”と言われるのが悔しいし、実際にそうなっているんです」

 本来の家系では、この店主の時代は3年の修業が必要だった。そして、独立する場合は、師匠と一緒に酒井製麺へ菓子折りを持って出向き、
「よろしくお願いします」と頭を下げるのが作法だった。

「本気で作った家系ラーメンは世界で一番うまいです。でも、スープ作りの腕とセンスのない人々が修業を逃げて工場スープに走ってしまうんです」
http://news.livedoor.com/article/detail/14812017/