長期保存に強い HTL Type の BD-R は、DVD-RAMやRWで使用されている相変化
  化合物の金属が記録層に形成されていて、初期状態では結晶状態になってい
  ます。結晶状態の相変化化合物に強いレーザーを当て、記録部分を高温にし
  てから照射を止めると、急激に冷却されて結晶が崩れたアモルファス状態に
  なって情報が記録されます。アモルファス状態では、分子が規則的に並んで
  いないので、結晶状態の金属よりも光の反射率が低下します。読み取り時は
  弱いレーザ光を照射して、結晶状態の部分とアモルファス状態の部分の反射
  率の違いを検出しています。書き込み前後で高反射から低反射に変わること
  から、HTL方式(High to Low 方式)と呼んでいます。
  相変化記録膜の保存期間は、一般的に100年以上と言われていて長期保存に
  適しています。これまでは主に書換型でしか使われていませんでしたが、
  Blu-rayは一回録画用(追記型)BD-Rにおいても相変化記録膜が採用しており、
  LTH Type BD-RやDVD-Rに比べて長期保存性が良好です。

  従来のDVD-Rでは有機化合物の色素膜が使われていました。色素の記録膜に
  強いレーザ光を照射し、レーザ熱で色素を溶して情報を記録します。読み
  取り時は弱いレーザーを照射し、レーザーの反射光を検出します。色素の
  残っている部分はレーザー光の一部が色素に吸収されるので反射率が低い
  のに対し、色素が溶けた部分は反射層によってレーザー光の多くが反射し
  て反射率が高くなります。書き込み前後で低反射から高反射に変わること
  から、LTH方式(Low to High 方式)と呼んでいます。
  有機色素は経年変化に弱く、保存可能期間は国産のDVD-Rで10年以上と言わ
  れています。しかし、生産性に優れており低価格で販売されているため、
  DVD-Rのような当面の保存に適した低価格メディアとして普及しています。