エイラみたいな人間的に不器用なやつよりも、宮藤みたいにやさしくて気が利く子のほうが
女の子同士の話もしやすいから、サーニャはどんどん宮藤に近しくなっていく。

 あわててサーニャの一番になろうといろいろ話しかけ働きかけるエイラだが、追いかけると逃げるのが女心。
巨乳の子相手だとたまに発作が起こる宮藤だけど、サーニャ相手ならその心配もないし完璧。
下心ギラギラで本能的に警戒心を抱いてしまうようなエイラより、ずっと宮藤のが親しみやすい。
カッコツケで顔を立てなくちゃいけないエイラと違って、宮藤なら遠慮なく後輩としてかわいがれる。

 エイラを喪失感が襲う。最近のサーニャときたら「芳佳ちゃん」「芳佳ちゃん」。毎日、胃がキリキリする。
ミヤフジ、オマエはリーネと仲良くシテロヨ… 友達イッパイイルダロ… サーニャのウラギリモノ……
 明日は自分の誕生日だというのに、自分をのけ者にして、街に仲良く買いものに出かける、
宮藤・サーニャ。エイラのいかりは頂点に達した。
 頭がカッとなって、体が勝手に動いていた
 翌日、宮藤を自室に誘い込むと、床に突き倒すエイラ
サーニャを、サーニャをカエセ、コノヤロー!と半泣きになって宮藤をマウントポジションでなぐりまくる。

ボコボコに顔を腫らし、鼻血を流す宮藤、だが涙を流し悲鳴な声をあげるのは加害者のエイラのほう、
ハァ……ハァ……コレにコリタラ、モウ二度ト、サーニャに手をダスンジャネーゾ。
 エイラはやっと少し落ち着いて……ふと、人の気配に気づく。出入り口を振り返ると、唖然と
立ちつくしているサーニャの姿が。その白い手には、包装紙にくるまれた箱。
そう、昨日おでかけしたのは、2人でエイラへのプレゼントを選ぶためだったのだ……。
 恐怖にひきつった顔で、逃げ出すサーニャ。

ハ、ハハ……私、終ワッタナ……。サーニャに、キラワレエタ。 ウ、ウゥ……ウァワワアアアアアアア! ミヤフジ! オマエノ、お前ノセイデ!

 エイラの手と、カーペットが血で赤く染まっていく。
 バルクホルン、坂本、リーネといった芳佳親衛隊がサーニャに呼ばれて駆け付けるのと、
宮藤が本当に死んでしまうのと、どちらが先になるのやら……。