外国育ちのファーストフードが苦戦している――。
三菱商事は11月、ケンタッキー・フライド・チキンを運営する日本KFCホールディングス(HD)の
保有株式を最大689万株売却すると発表した。
三菱商事の出資比率は65.86%から37.90%に下がり親会社でなくなる。
11月19日の終値(2191円)で計算すると、三菱商事は株式売却で150億円を得ることになる。

日本におけるファースドフードの元祖的存在である日本マクドナルドHDも大苦戦中だ。
15年1〜9月期連結決算の最終損益が292億円の赤字だった。前年同期(75億円の赤字)から赤字幅が拡大した。
15年12月期連結決算の売上高は前年同期比10%減の2000億円、営業利益は250億円の赤字(前期は67億円の赤字)、
最終損益も380億円の赤字(同218億円の赤字)と2期連続の大幅赤字の見込みだ。01年の上場以降、最悪の業績となる。

経営難に陥ったフランチャイズチェーン(FC)店に対するロイヤルティを減免するなどの
財務支援費用や不振店舗の閉鎖による減損損失が膨らむ。
一方、未定としていた15年12月期の期末配当は前期並みの年30円とする。再建の道のりは厳しい。
既存店の売上高が低迷しているからだ。来客数が回復しないからだ。

【日本マクドナルドの既存店売上高と客数の前年同月比】(単位:%)
※以下、左から6月、7月、8月、9月、10月、11月
既存店売上高、▲23.4、▲12.6、2.8、▲1.9、▲0.3、▲2.5
客数、▲10.4、▲9.3、▲3.3、▲4.1、▲0.8、▲2.3
(日本マクドナルドHD発表の月次セールスレポートより、▲はマイナス)