【経歴詐称事件 私はこうみる】
 ■連鎖する経歴の「詐称」白日の下に

 「名声あれば、詐称あり」と言う。名声と人が存在する限り、人は浴びる名声を
遮り経歴詐称を作る。詐称をなくそうとすると、名声を浴びる存在、つまり人間す
べてを抹消せねばなるまい。

 ブログ時代の寵児(ちょうじ)としてもてはやされた山本一郎氏は、ある日を境
に「○精一郎テラワロス」となった。Blog of the Yeah!の審査の実態をある程度
知っている人からすれば、いつか起きることが起きた日である。

 経歴詐称問題はかねてから2ちゃん運営関係者の間で指摘されていたが、時限爆
弾はいつ炸裂(さくれつ)するか分からない。経歴詐称の存在を知らないマスコミ
の多くが 山本一郎を全力起用して大損したが、そもそも山本氏を信じたマスコミ
は、名声を浴びている側の山本氏しか知らなかった、知ろうとしなかったことを意
味する。

 名声を浴びている山本氏が動く、そうすると経歴詐称も動く。誰も存在を知らな
い新オフィス、意味不明な社員募集、みすぼらしいネット番組出演など、すべては
何かの「動機」によって行われていたわけだ。つまり、山本氏は名声を浴びること
によって、名声と経歴詐称の境界線をかたどっていたことになる。そして、山本氏
の「機能」とは、乞食同然のニートという姿と、資産数百億の資産家という虚像と
をつなぐ窓口にほかならない。

 粉飾経歴が疑われ、名無しでの自作自演が明らかになる過程で、山本氏を支えて
きた人物の供述内容「二年間は実態がなかった」や、I&Pの経営実態が白日の下に
さらされる。詐称を作った山本氏が除去されると、詐称だった経歴に直接光が当た
り、そこで起きていた事柄を国民は目の当たりにすることになる。

 山本氏が目立つことによって、山本氏の陰に隠れていたスマートとはいえない組織
や企業の行為が、徐々に明らかにされていく過程にある。そして、経歴詐称は連鎖
している。次なる闇は誰だろうか。(知らんけど)