だいぶ前の事だけど、
私が公園の鉄棒に足でぶら下がって得意げに子供に見せていた時、
2歳くらいの子が1人で滑り台つきのジャングルジムを登りだして
上で手を離してグラグラしはじめたのが見えた。

私は距離があったから「誰か!ジャングルジム危ない」
と叫んで、その拍子に鉄棒から落ちるまぬけぶりを披露した時
私の声に気付いてジャングルジムの近くにいたベビーカーを押していたママさんが
高校野球のベースにスライディングするような動きと素早さで、
足を滑らして落ちたその子供を見事にキャッチした。

洋服砂だらけでそのママさんは痛そうだった。
落ちた子供の親は他のママさんと喋っていて
子供がグラグラしていた瞬間を見ていなかったみたいで
「えっ!何?ヤダ何〜!!〇ちゃんどうしたの〜?」って
混乱してた…。ベビーカーママさんは、自分が助けたにも関わらず、
恐縮したように、説明だけして、よろよろとベビーカーを押して帰って行った。

助けもらったのに、我が子の心配だけして、
ママ友達に取り繕ったりして、ベビーカーママさんにお礼も言わなかった。

気になったから子供を連れベビーカーママを追いかけて、
けがは大丈夫でしたか?と聞いたら、
「あ…ハイ。それよりありがとうございました。
あなたが叫んでくれなかったら、
あの子はそのまま下に落ちてケガをしていたと思いますし、
一瞬あなたが鉄棒から落ちたみたいに見えたんですけど、
大丈夫でしたか?」と逆にお礼と心配までしてくれた。
なんて素晴らしい人なんだと感動した。