広瀬隆の原発本のインチキさには、原子力について少しでも学んだり
したことがあったらあきれ返るのではないだろうか。特に「危険な話」
とかいう本はひどすぎる。ほかの反原発運動の活動家は広瀬氏のことを
どうみているのだろうか?

紀尾井書房だったかどこかから「つくられた恐怖『危険な話』の誤り」
という本が出ている。広瀬氏の本の誤りが数十箇所に渡り指摘されて
いる。それも、指摘されているのは小さな間違いでなく、本質的な誤り
ばかりである。あんな恥ずかしい本を書いておいて、しかもその内容を
否定する本まで出されていて、まだ反原発を看板に食っていける
のだから、大体どういう運動だか理解できる。そして、なにより広瀬氏
のものの考え方というのがここに見えるのではないか。内容の正確さ、
などどうでもいい。恐怖心をあおればいいのである。

その内容の不正確さは目を覆うばかりである。使えない公式を使って
被爆量を計算したり(放射線のリスクは距離の2乗に反比例というよく
知られた公式をももとに、広瀬氏は「肺にくっつけば距離は何百万分の1
だから、リスクは・・」という論理を展開している。距離の2乗という
のは体外被爆で距離が十分ある場合の話しである)、学会ではもはや否定
されているような学説をわざわざ出してきたり、「外国の新聞に載って
いる」と載っていないことまで脚色して書いたり、福井県の豪雪時に車両
を通行止めにするためのゲートを「原発事故の時に住民を町から出せなく
するためのゲート」と自分の想像で書き立てたり、そのほかにもたくさん
ある。ある意味この本は大変おもしろいのでぜひ読んでみるといいと思う。