放射性廃棄物の処分問題
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0801ニダー博士(理系) ◆uzqzgJFM
NGNG一応別スレで今日書いた事なんで自己転載します。
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http://yasai.2ch.net/test/read.cgi/atom/1016642025/
421 名前:ニダー博士(理系) ◆uzqzgJFM 投稿日:02/04/23 07:52
>>417
TRUの処理については、70年から80年代に群分離-消滅処理法(P-T法)が
米、独などで検討されていました。
これは、使用済み核燃料からU238,Pu,TRU,その他に分けて抽出し、
U238とPuは増殖炉サイクルで消費(現在はMOX化してプルサーマルで
Puを消費、U238は比放射能が極めて低いので余り問題なし),TRUを
加速器で消滅処理するというものでした。
コスト及びリスク解析の結果、P-T法は、長期リスクを大幅に減ずるも
のの、再処理施設に群分離のプロセスを追加するという点と、加速器
照射による破壊というプロセスが発生する為、短期リスクを増大する
ので、リスクエフェクティブでないと言う事から放棄されています。
現在、日本などで根気よく研究されているのは、超ウラン元素とSr-90
Cs-137を群分離し、高速炉の一部に特殊燃料として挿入して消滅する
というものです。常陽の新炉心はこのための基礎データ採取の為に設計
されている『筈』です。
もんじゅが当分運転できない状況と、群分離には再処理に湿式法でなく
乾式法等のもっと安全性の高い方法を開発せねばならないことを考える
と、今のところP-T法は基礎実験段階です。
従って、TRUの処理についてはとにかく再処理サイクルに回すまでの時
間と、高レヴェル廃棄物の冷却期間の間にどの程度の技術進展と情勢
変化が生じているかにかかっており、日本では決まっていないというのが
ニュートラルな考え方でしょう。
米国とドイツではワンスルー地層処分で決まっています。
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要するに、物理現象としては期待を持てるけど、背景や事情は異なるとは
いえ、一度事情の違う他国で放棄された経緯があるので過大な期待は
禁物と思われます。
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