原発のY2Kトラブル、東京電力に集中 --------------------------------------------------------------------------------

 通産省・資源エネルギー庁は6日、コンピューターの2000年問題による原子力発電所のトラブルが7システム(10件)にのぼったことを原子力安全委員会に報告した。このうち5システム(8件)のトラブルは東京電力の原発に集中し、原因に改修漏れなどがあった。ほかにもトラブルの報告遅れや発表ミスなどが相次ぎ、同社の安全管理の甘さが浮き彫りになった。
 今回のトラブルでもっとも深刻なのが、福島第2原発で起こった制御棒の表示システムの停止で、通常の場合も「重要機器の機能低下・故障」として通産省への報告義務がある。ところが、現地から本社に報告が入ったのは警報が鳴って2時間以上たってからで、通産省への報告は3時間後になった。東電自身、「本来は1時間以内に報告すべき事項だった」と認めている。

 このトラブルの原因は、世界標準時を用いた時計が内蔵されていたためだが、東電は問題が発生したシステムの改修をメーカーにまかせていて、この事実を把握していなかった。ところが、現地では1月4日に「事前に承知していた」と発表し、翌日になって「確認していなかった」と謝罪した。

 また、3カ所の原発で起こった事務処理システムのトラブルについては、いずれも東電側に改修漏れがあったことが判明した。同社は2000年問題対策には総額約40億円をかけて改修作業などを進め、昨年中に「100%完了した」と発表していたが、対応しきれていなかったことになる。

 同社は「電力供給に支障は起きなかったが、いろいろ不手際があったことは反省している。初めてのケースで現場にも混乱はあったと思うが、いずれのミスもあってはいけないことで、今回のことを教訓にさらに安全管理を徹底したい」(広報部)としている。

(01:47)