福島第一原発、「一進一退」が続く汚染水処理 放射線量減りマスクは敷地の約9割で不要に
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昨年5月に完成した9階建て大型休憩所の7階(高さ約30メートル)窓から敷地を見渡すと、
除染や解体に向けた作業が続く1〜4号機建屋の手前に、70万トン以上の汚染水を
貯蔵した約1000基のタンク群が広がっていた。

昨年10月に完成した「海側遮水壁」が見えた。護岸に多数の鋼管を打ち込んだ結果、
汚染地下水の港湾への流出は減ったが、地下水の水位は上がった。
地下水は、くみ上げて一部を建屋に戻しており、汚染水の総量が増える結果を招いた。
今後、タンクを約3万トン分、増設し、土壌を凍らせて地下水の流入を防ぐ
「凍土壁」の稼働も目指すが、汚染水対策は一進一退を繰り返している。

水素爆発した3号機建屋の横を車で通ると、線量計は毎時230マイクロ・シーベルトを示した。
一般人が平常時に1年間に浴びる放射線の許容量とされる
1ミリ・シーベルト(1000マイクロ・シーベルト)を、 4時間ほどで超える量だ。

隣の1、2号機近くの排気筒(高さ約120メートル)周辺は、敷地内で線量が一番高い。
「2013年には、推定で毎時約25シーベルト(2500万マイクロ・シーベルト)という高い線量だった。
約5年たっても手つかずだ」。

東電担当者の説明に、廃炉への道のりの険しさを、改めて感じた。