高浜原発に停止命令 フクシマを繰り返すな
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016031002000128.html

稼働中の原発を司法が初めて止める。
関西電力高浜3、4号機の安全性は不十分だからと。
国民の命を守る司法からの重いメッセージと受け止めたい。

3・11から五年を前に、司法の良識を見たようである。住民の安堵(あんど)の声も聞こえてくるようだ。
3・11後、再稼働した原発の運転の可否をめぐる初めての司法判断は、
原発は「危険」と断じただけでなく、事故時の避難計画策定も十分でないままに、
原発の再稼働を「是」とした原子力規制委員会の「合理性」にも、「ノー」を突きつけた。

◆よみがえった人格権
 大津地裁の決定は、高浜原発3、4号機が、そもそも危険な存在だという前提に立つ。

県外住民からの訴えを認めたことで、
原発の“地元”を立地地域に限定してきた電力会社や政府の方針も明確に否定した。

そして、その上で言い切った。
「原子力発電所による発電がいかに効率的であり、コスト面では経済上優位であるとしても、
その環境破壊の及ぶ範囲は我が国さえも越えてしまう可能性さえある。
単に発電の効率性をもって、これらの甚大な災禍と引き換えにすべき事情であるとは言い難い」

◆過酷事故が具体論へと

◆規制委は変われるか