行政事業レビュー:「核燃」批判相次ぐ 運搬船、4回使用で100億円 原発19事業など検証へ
http://mainichi.jp/shimen/news/20151112ddm001010152000c.html
高速増殖原型炉「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構については、ほとんど使われていない核燃料運搬船の維持費などに年間12億円かかっていることに「打ち切り、見直しも含めた将来的な選択肢」を示すよう注文が付くなど、批判が相次いだ。

核燃料サイクル事業関連の経費の公開検証では、原子力機構の入札や契約資料に非公表部分が多く、河野太郎行革担当相は「国民に説明できないものにお金は使えない」と批判した。

原子力機構が2006年度に建造した使用済み核燃料運搬船「開栄丸」は、03年に運転を終えて解体中の新型転換炉「ふげん」の使用済み核燃料などを輸送するために造られ、開発費や維持費に延べ100億円がつぎ込まれたが、実際の輸送は4回のみ。
09年11月以降は一度も使われていない。
有識者から「なぜ必要なのか分からない」との意見が相次いだ。

Jパワー(電源開発)が申請中の青森県大間町の大間原発に対する経済産業省の補助事業も批判が相次いだ。同原発は全炉心にウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を使う世界初のフルMOX商業炉。
同省は1996年度以降、技術開発費補助金として290億円を同社に交付したが、この3年間の予算執行率は0-4%。
有識者は「抜本的に見直すべきだ」と指摘し、Jパワーに収益から交付額の相当分を国庫返納させるよう求めた。

ただ、公開検証は国策の是非を問わない方針。政府がエネルギー基本計画に掲げる核燃料サイクル事業の必要性は議論の対象外で、もんじゅについても存廃は議論されなかった。