被ばく死 最悪1.8万人 原発攻撃被害 84年に極秘研究
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015040802000140.html

 国内の原発が戦争やテロなどで攻撃を受けた場合の被害予測を、
外務省が一九八四(昭和五十九)年、極秘に研究していたことが分かった。

原子炉格納容器が破壊され、大量の放射性物質が漏れ出した場合、

最悪のシナリオとして急性被ばくで一万八千人が亡くなり、
原発の約八十六キロ圏が居住不能になると試算していた。

研究では東京電力福島第一原発事故と同じ全電源喪失も想定していたが、
反原発運動が広がることを懸念し公表されなかった。 

◆原発攻撃被害報告書 「福島」に生かされず
 軍事攻撃による原発の放射能被害を予測していた外務省の報告書。
水素爆発した福島第一原発事故は地震と津波が引き金とはいえ、報告書が指摘していた
「全電源喪失」の危機がシナリオ通りに再現された。
三十年も前から原発の潜在的な危険性を知りながら、反原発運動の広がりを恐れて公表を控えた外務省。

原発推進を掲げた当時の国策の下で、都合の悪い情報をひた隠しにする官僚の隠蔽(いんぺい)体質が浮かび上がる。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/images/PK2015040802100040_size0.jpg