17年間 雨を観測し続けた長生き衛星『TRMM』に運用終了の兆候

レスポンス 8月17日(日)15時21分配信

2014年8月12日、NASAは、NASA/JAXA共同の熱帯降雨観測衛星『TRMM(トリム)』の軌道維持のための推進剤が残りわずかとなり、高度402キロメートルの軌道から降下を始めていることを公表した。

TRMMは1997年12月に打ち上げられたNASA・JAXA共同開発の地球観測衛星。
南北緯度35度までの熱帯を中心とした地域で、雨を降らせる雲の厚さを観測することができる降水レーダー「PR」(日本開発)やマイクロ波放射計(アメリカ開発)を搭載し、台風やハリケーンなどの観測を行ってきた。
2005年には北米に大きな被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」の観測も行っている。17年にわたる長期の運用期間から得られたデータは、地球全体の降水(雨)の仕組み解明に大きく貢献している。

2014年2月には、NASA・JAXA共同開発の後継機「GPM」が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、南北65度までの広い範囲で降雨を観測できるようになった。
また、日本開発の二周波降水レーダー「DPR」は2種類の周波数を使い分けてより細かい雨粒や雪の観測も可能になっている。