賃貸トラブル防止に敷金ルール明文化 原状回復、経年変化含まず

産経新聞 8月15日(金)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140815-00000001-san-pol

法相の諮問機関である法制審議会の民法(債権関係)部会が検討している改正要綱原案に、賃貸住宅の「敷金」に関するルールの明文化が盛り込まれていることが14日分かった。
敷金の定義や返還については現行民法に明確な規定がなく、トラブルの原因になっていた。改正によって、退去時に借り主が家主の“言いなり”になる不合理が減ることになりそうだ。

原案では、敷金を「賃料などの担保として借り主が家主に交付する金銭」と定義したうえで、その返還時期を「賃貸契約が終了し、物件を引き渡したとき」と規定。
家賃滞納などがあれば敷金を充てることができるとし、敷金をめぐる基本的なルールを明記する。

部屋の原状回復義務については、「通常の使用による損耗(傷みや汚れ)、経年変化を含まない」と限定。退去時に家主側から修繕代の差し引きを求められた際の目安となる。

「アパートを退去したが、敷金20万円をクロスの張り替え代などで全額相殺するため返金できないといわれた」(関東地方の30代男性)、
「原状回復費用が敷金を超過する可能性が高いと不動産会社が電話でいってきた」(東海地方の50代男性)。
「国民生活センター」には毎年、このような相談が1万件以上寄せられている。

同センターは「敷金に関するルールが分かりやすくなれば、消費者に有利に働くはず」と評価する。
同時に「ルームクリーニングや鍵交換の特約といった契約内容を確認することは引き続き大事だ」と話す。