「真夏の昼の夢」原子力病   田中俊一
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/2009-0911.html

「このところ原発の稼働率は、90%を越えて韓国並みになってきた。全発電量の
40%以上という目標も既にクリヤーし、温室効果ガスの削減量も2005年に比べて
1億トンを越し、堂々の実績である。六ヶ所の再処理工場もいろんなトラブルに
見舞われたが、ようやく本来のパフォーマンスを達成し、抽出されたPuはMOX燃
料に加工されて、プルサーマル軽水炉で順調に利用されている。使用済燃料を貯
蔵する中間貯蔵施設も完成し、暫くは使用済燃料の行く先を心配することはなく
なった。あれこれの困難の時を越えて、原子力発電はようやく落ち着き、エネル
ギーの供給と温室効果ガス削減にも確かな実績を残している。こうなると不思議
なもので、原子力発電に対する国民やメディアの見方も変ってきたようである。
国民の信頼も高まり、高レベル廃棄物の処分場もまもなく稼動ができそうだ。古
い原発のリプレースも、新規増設も順調に進展している。なんと心穏やかに原子
力の仕事ができる時代が来たものである。

第38号 原子力委員会メールマガジン 2009年9月11日号