包丁を振り回す男は、テレビなどの電波の向こうに住む世界の人間、少なからず誰でも思っているだろう。
彼らの背景には不幸な過去がそれをさせている。
言ってみれば刑務所に行く人間がそうである。
刑務所に行く人間はすべて死刑に相当する、そうカタギは思うに違いない。
みんな身勝手な犯行だと思っているが、筆者は異を唱える。

刑務所に行きたがっている人間と言うのはそこによほど合っている者だけだろう。
言い換えれば刑務所に行きたい者などいない。
環境による。確かに彼らはやってはいけない取り返しの付かない事をしてしまったわけだが、その環境も悪いのである。
典型なのが金川で、この男を調べてみるとそうであった。
金川もまた自らの環境の被害者なのである。