今後のエネルギー政策を考える上での最大の論点は「今回の事故は他の原子力発電所において防げるか?
http://www.gepr.org/ja/contents/20120514-02/

今回の事故は、東京電力福島第一発電所が大津波に襲われたことに起因する全電源喪失と「炉心冷却水喪失」事故であるが、
同時に津波に襲われた原子力発電所の多くは大事故に至っていないことに注目する必要がある。

大津波に対し一定の対策が講じられていた東北電力女川・日本原電東海第二発電所では、襲来した津波の規模や頻度に差はあるにせよ、外部電源や非常用発電機が確保されており冷温停止に成功している。
一方、大津波に対しての対策は十分とは言えないものの、新型である東京電力福島第二発電所では外部電源の復旧と冷却系の応急修理を早期に完了し、冷温停止に成功している。
同様に、東京電力福島第一発電所の中であっても新型の6号とこれに隣接・接続されていた旧型の5号は、同じく定検中であった旧型の4号と異なり、危機的状態に陥りつつも非常用電源を融通・復旧させて冷温停止に成功している。
また、今回の津波とは直接関係がないものの、中部電力は東海地震・津波想定への対応などを問題として旧型の浜岡1・2号を2008年に廃炉している。