<米大統領>イラン制裁発動を承認 代替原油量十分と判断
毎日新聞 3月31日(土)11時31分配信【ワシントン平地修】

オバマ米大統領は30日、
イラン産原油の輸入削減の代替となる十分な量の原油を、他国が市場に供給できると判断し、原油輸入目的でイラン中央銀行と取引を行う外国金融機関への制裁発動を承認した。
対象国の輸入削減状況を見ながら6月28日以降に具体的制裁を科すかどうか判断する。
イラン産原油の輸入を大幅に削減している日本は、すでに制裁の対象から除外されている。

核開発を続けるイランの原油収入の封じ込めを狙い昨年末に成立した米国の制裁法は、原油代金などの決済を行うイラン中銀と取引をした外国金融機関に対し、米銀との取引を大幅に制限するもの。
オバマ大統領は制裁発動を前に、各国のイラン産原油から他国への輸入切り替えが可能となる十分な原油供給量があるかどうかを判断することになっていた。

オバマ大統領は判断の理由について、イラン以外の国が供給を増加させていることや、各国が戦略的に石油を備蓄していることなどを挙げている。

同法は、イラン産原油の輸入を「著しく減少」させた国の金融機関は対象から除外するとしており、オバマ政権は3月20日に日本と欧州の計11カ国の除外を決めた。
このほか、イランと取引のある国は中国、インドなど12カ国。

今回の大統領判断は十分な原油供給量を強調することで、イラク情勢の緊張の高まりで高騰が懸念される原油価格の抑制を図りつつ、中国やインドなどにイラン産原油の輸入削減を迫る狙いがある。