曲解だらけの電源コスト比較made byコスト等検証委員会
http://agora-web.jp/archives/1445630.html

どのような問題点があるか、次に列挙してみよう。
1)再生可能エネルギーのコスト計算に研究開発費用を計上すべき
再生可能エネルギーには、第一次石油危機後のサンシャイン計画から始まり、過去30年にわたり国費による莫大な研究開発費用が注ぎ込まれてきている。
一方で、原子力については高速増殖炉の研究開発費が計上されており、比較ベースが異なっている。
また、いわゆる「政策コスト」も同じだ。原子力については政策コストを計上しているのに新エネルギーについては計上していない。
例えば、バイオマスニッポン計画では5年間で6.5兆円が使われたと言われている。
このうち多くはバイオマスエネルギー利用についての予算であり、再生可能エネルギー導入推進政策の一環だったわけで、こうしたコストが除外されている理由が判然としない。
(なお、同計画については、総務省の行政評価によって2011年の2月に効果がゼロだったと判断されている。)
また日本の温暖化対策予算は中央政府と自治体の合計で年間3兆円に上るが、このうち再生可能エネルギーの政策費用に当たるものを精査すべきだろう。
一部委員の資料には、そうした費用計上がなされているものもあるが、最終的にどのような扱いがされたのかが明確にされなければ納得性に欠ける。

2)再生可能エネルギーの未来のコストは別図にすべき
これは、同図の基本的な問題点だが、再生可能エネルギーのコストは、将来の技術進展によるコスト低下を適宜予測して弾き出しており、現時点での試算を基礎としているその他の電源試算とはベースが異なる。
それが、同一の図に十分な注意書きがなく、同列に記載されていることは、意図的な誤解を導こうとする目的としか思えない。必要であれば、別の図でプレゼンテーションを行うべきだろう。