結局、揚水発電の役割がちゃんとわかっている奴はいないのかね・・・経済、下げ代、供給力、系統保安、いろいろ役割があるんだけどな。

揚水発電の総合効率ってだいたい70%ぐらいなので、揚水で水をくみ上げて、使うときにはざっくりいって1.3倍の値段になるわけな。
で、供給力が潤沢にある場合、無理に揚水しなくてもいいんだけど、たとえば夜中の軽負荷時間帯に5円/kWhの電気で揚水できれば
水を落として発電するときには6.5円/kWhの電気になる。このとき昼間に10円/kWhの電気を使わなければならないなら、6.5円/kWhの
揚水の電気で10円/kWhの電気を抑制していやるとお得だろ?これが経済揚水。

基本的に出力調整できない=止められない電源として、原子力や流れ込み式水力、風力や地熱等の再エネ電源があることは理解して
もらっていると思うんだけれども、これだけでは需給運用はできないので、出力調整ができる火力電源なんかを組み合わせるわけな。
で、お盆や年末年始、GWなどの軽負荷時期や大規模な降雨出水で水力の出力が非常に高くなった場合、この止められない電源と
需給調整上必要な火力の出力を合わせると、需要を上回ってしまうケースがありうる。そうした時に揚水を行うと見かけの需要を増やすことが
でき、需給調整上必要な火力の量を満たすことができるようになる。これが下げ代(余剰)揚水。