http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110527/dms1105271638028-n1.htm
 東京電力福島第1原発で震災翌日、海水注入が一時中断された問題は、官邸の意をくんだ東電が注入中断を指示した形になっていたが、
同原発の吉田昌郎所長(56)が命令を無視、“現場の判断”で注入を続行したことが判明、根底から覆された。

未曾有の非常時に組織の体をなしていなかった東電は、吉田所長の処分も検討する。
しかし、事故は現場で起きている。1人の男の決断が事態の悪化を防いだのは紛れもない事実だった。

“菅に逆らった男”は一体どんな人物なのか−。

 「事故が今の状況で済んでいるのは吉田の存在も大きい」

 東電幹部がこう認めるように、第1原発では吉田所長の判断によって回避した危機も多い。
1号機への海水注入をめぐっては、本店の意向に逆らって注水を継続した。

その後、視察に訪れた菅直人首相(64)には、放射性物質を含んだ蒸気を抜く「ベント」を進言。
そのほかにも、東電本店が発する的外れな指示を突っぱね、現場をまとめてきた。