トリウム熔融塩炉は長寿命放射能核種の超U元素(Pu・Am・Cmなど)がほとんど生成されず、逆にそれらを燃料塩に
溶かし有効利用しつつ消滅処理が可能です。種々のアクチナイドや核分裂生成物の一部も炉内からほとんど分離不要
で、炉内自然消滅を推進できて、高レベル廃棄物問題は大きく改善できます。

それらの中性子による積極的消滅作業は、中性子(=核燃料)の充分余剰となる核産業後退期(2080〜2130)に溶融塩燃
料サイクル内で経済的に遂行できるでしょう。

固体燃料でないので、その製造・検査・輸送・取替え・解体・再処理・再加工が不要で、運転保守作業量が減って、低レベ
ル廃棄物の発生量は圧倒的に少なくなるでしょう。廃炉後の廃棄物中では、黒鉛量が多いが管理し易く、一部は汚染表
面を 0.1mm削って再利用できます。Ni合金は数年放射能を冷却した後、再溶融・利用できます。