>>271
TWRやCANDLEや4S炉は正確には増殖炉ではないよ。
あくまで自分で使う分だけ238Uから転換するだけなので。

こうした炉は中性子の減速と吸収が少ない冷却材としてナトリウムが使われてるが、
同様の特性をもつ流体として他に鉛ビスマスがある。
鉛ビスマスは安定した物質で漏出した際の危険がないが、腐食性がある。
現代の工学界はこの腐食性よりもナトリウムの可燃性の方が対処しやすいと判断したことによる。

この腐食性の問題は、フッ化物溶融塩を用いた原子炉の実用化が難しい理由の一つでもある。

ハステロイNといった耐食性材料もあるが、実際にはそうした配管材料の選択にはとどまらず、
各種センサなど系の全てに耐食性を持たせる必要があるため難しいのだろう。
小さな規模の実験炉には耐えられても大規模な商用炉での耐久性とは別だから。

耐食性さえ確保出来れば、溶融塩炉よりむしろ鉛ビスマス高速炉が脚光浴びると思われる。