<米中首脳会談>核安保で協力強化 人権では中国けん制も
毎日新聞 1月20日(木)7時54分配信【ワシントン浦松丈二】

米国のオバマ大統領と、国賓として訪米した中国の胡錦濤国家主席は19日午前(日本時間20日未明)、ホワイトハウスで首脳会談を行った。AP通信が米政府当局者の話として伝えたところによると、
両国は核の安全保障や原子力の平和利用に関する協力関係を強化することで合意する見込みだ。
人民元切り上げや貿易不均衡といった2国間関係や中国の人権問題、北朝鮮核問題への対応といった地域情勢、気候変動など地球規模の課題も協議される。

首脳会談に先立ってホワイトハウス南庭で21発の礼砲を撃つ歓迎式典が行われた。
式典でオバマ大統領は「(79年の米中国交正常化からの)30年余り、両国は交流と理解を深めた。(胡主席の)訪問はこれから30年の基礎となるものだ」と述べるとともに、
「人類の普遍的な権利」としての人権尊重が必要だと中国をけん制した。

これに対し胡主席は「両国の協力はアジア太平洋地域の安全につながる。中米は互いの発展の路線の選択と核心的利益を尊重すべきだ」と述べ、国情の違いに配慮する必要性を強調した。

AP通信によると、米中両国は、核施設の安全性向上などを目的とした「核安全センター」を共同で中国国内に設立する。

一方、クリントン米国務長官は19日朝、米ABCテレビとのインタビューで、
核計画にからむ対イラン国連制裁を守っていない中国企業があると述べ、中国に制裁履行の徹底を求める姿勢を示した。