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液状化の規模、阪神大震災に匹敵 NZ地震
2011 年2月26日16時20分【クライストチャーチ=長野剛】

ニュージーランドの地震で、クライストチャーチ中心部で起きた大規模な地盤の液状化現象が、7〜8キロ四方に及ぶことが地元のカンタベリー大の調査でわかった。
市の中心部で傾き続けている最高層のビルの被害も液状化が原因の可能性があるという。

調査したカンタベリー大のミスコ・チュブリノフスキー准教授(地盤地震工学)らによると、液状化が激しい地域では地面の5割以上が液状化で噴き出した砂で覆われているとみられ、ブロックによっては7〜8割に達していた。
噴砂は、厚いところでは50センチほど堆積(たいせき)していた。

住宅地では、液状化した地盤に建物が沈み込む現象が起きており、40センチほども沈んだ家もあった。
昨年9月の地震でも液状化で約4千棟の住宅が生活できなくなったが、今回は1万棟に及ぶ可能性があるという。

市街地には二つの川があって、地下15メートル前後までは川で運ばれた細かい砂が堆積しているうえ、地下水も豊富なため地盤の液状化が起きやすくなっている。
傾いている高層ビルや大聖堂、カンタベリーテレビ(CTV)ビルなどがある市の中心部も、こうした地域にある。

日本で阪神大震災の調査経験があるチュブリノフスキー准教授は
「液状化が問題になった1964年の新潟地震や阪神大震災に匹敵する規模になりそうだ。地盤改良で被害が抑えられている地域もあり、詳細に調べて今後の対策に役立てたい」と話した。

小長井一男東京大教授(地震工学)の話
クライストチャーチの液状化は、日本海中部地震(1983年)での秋田県北部を連想させる。蛇行して流れる川の周辺に堆積した軟らかい地盤で、液状化が起きたことが共通している。
直下型で液状化が起きたところは、阪神大震災と似ている。