韓国、白頭山噴火へ対策 衛星や音波観測で監視強化
2011年3月7日 12時02分【ソウル共同】

韓国気象庁は7日までに、
中国と北朝鮮の国境に位置する白頭山(中国名・長白山、2750メートル)などの噴火に備えた総合対策をまとめたことを明らかにした。
人工衛星による火山活動監視に加え、噴火の爆発音を探知する音波観測所を新設し、観測態勢を強化する。

韓国政府が白頭山噴火に関する対策をつくったのは初めて。
専門家からは白頭山が数年以内に噴火する可能性が指摘され、韓国民の間では昨年のアイスランドの火山噴火や、最近の日本の霧島連山・新燃岳の噴火もあり、白頭山をめぐる不安の声が高まっている。

同庁は、万一の事態に迅速に対応できるよう昨年から対策づくりを進めてきた。今後、日本や中国と火山活動に関する情報交換などの協力を強化する計画。
人工衛星による監視は来月から始め、噴火時には火山灰飛散の観測も行う。音波観測所は今年中の設置を目指す。

同庁によると、噴火すれば中国と北朝鮮には高温の噴出物が降り注ぎ、火山湖の水で山麓に洪水が発生する恐れがある。
日韓両国も火山灰の影響を受けるとみられ、韓国では精密機器産業に影響が出たり、呼吸器疾患の増加や航空機運航に混乱が起きたりする可能性もある。

白頭山は10世紀に大噴火を起こし、火山灰は日本の北海道から東北地方まで到達したとされる。