単に「特定のゼネコンのやり方に合わない」為とか、
「手抜き工事やりづらい」「不法投棄バレる」とかの理由で、
「効果なし」情報・噂をバラ撒いていることもあるので、
正確な調査が必要


「効果なし」複数 県生物環境アドバイザー制度の適用工事
2011年2月15日

県が生物環境に配慮した公共事業を行うために地域の専門家から助言を受ける県生物環境アドバイザー制度を適用した工事で、助言の効果が出ていないケースがあることが分かった。
県の担当者は「環境を100%守れる制度ではない」と話すが、専門家による効果確認報告も整理されていない状態にある。

アドバイザーは工事着工前から指導、助言を行い、貴重植物の移植や動物用通路の確保など、工事の影響を受ける生物環境を保全する対策を県が実施する。
対策の効果を数年をめどに確認する。

県によると、1998〜2005年に助言を基に対策を講じた7件は、06〜09年の確認時に、期待された効果が出なかった。

大津市で00〜03年ごろの砂防ダム敷設事業では、希少チョウ類の卵を幼虫の餌となる植物がある近隣地に移植したが、08年に確認されず、餌の確保だけでは効果がないことが分かった。

04年の甲賀市での道路工事では、在来樹木によるのり面緑化を試みたが、07年の時点で生育がまばらだった。
ほかにも、カエルなどの小動物が側溝から脱出しやすいように設置した斜面が利用されていなかったり、魚道を使うフナ、コイなどが確認できない例があった。

アドバイス効果については、年に2度開く全体会合でアドバイザーが報告する。だが制度を運用する県監理課は効果について追跡はしておらず工事担当部署のみが把握。
効果が乏しいことが分かっても、費用面で改善できないこともある。

制度設計した小林圭介・県立大名誉教授によると、
工事の設計段階から専門家がかかわる同様の制度は他府県にはなく「一つの工事で、分野の異なる複数の専門家が指導しており、効果的な助言ができる態勢を毎年つくっている」と話す。

一方、アドバイザーの大学教員の中には「工事の大枠が既に決まった段階で助言を求められる場合もあり、アドバイザーと事業主体が対等の関係とは言えない」と問題を指摘する声もある。 (曽布川剛)