鳥インフル感染を確認 島根の養鶏場、防鳥ネット網目広がる
2010年12月2日 朝刊

高病原性鳥インフルエンザへの感染が疑われる鶏が見つかった島根県安来市の養鶏場について、島根県は1日、
鶏舎の金属製防鳥ネットの少なくとも2カ所で網目が広がるなどしていたことを明らかにした。
外部から鳥の侵入も可能な状態という。鶏舎を覆うシートには直径数十センチの穴や隙間があったことが、農林水産省への取材などで分かった。

農水省は1日、養鶏場で死んだ鳥を遺伝子検査した結果、
高病原性のH5型のA型インフルエンザウイルスに感染していることを確認したと発表。
同省などによると、国内の農場での鳥インフルエンザの発生は、2009年2月に愛知県豊橋市のウズラ農場で確認されて以来。
現場近くには多くの渡り鳥が飛来する中海があり、島根県はウイルスを持った野鳥から感染した可能性も含めて原因を検討。
今後、農水省の疫学調査チームと感染ルート解明を目指す。

県は1日、シートの内側にある防鳥ネットを調査。
異常はなく、スズメなど小型の鳥も通り抜けられず「外部からの鳥の侵入は不可能」といったん発表していた。

県は問題の養鶏場からとった検体を動物衛生研究所(茨城県つくば市)に移送。
詳しいウイルスの型など詳細な検査をしていた。

県は、養鶏場で飼育する約2万3000羽の殺処分を1日午前に再開。
同日中の完了を目指し、約100人態勢で作業を続けた。
鶏舎などの消毒も含め全作業が終わるのは週末から週明けの予定。