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我が国初の地熱発電所である松川発電所は、1966 年に運転を開始して
既に 40 年以上経過しているが、現在も安定して運転されている。
地熱発電では、運転開始後に補充井の掘削等は必要であるが、燃料を必要としないことから、
長期間にわたる安定した発電が可能である。水力発電と同様に長期安定的に
運転されることにより、経済性を発揮し、電気料金の安定化に貢献している。

これらのため、NEDO が行った地熱開発促進調査(戦略的全国調査)に基づく試算の
結果における 15 年平均発電コスト(現行制度)は、9.2 円/kWh〜21.7 円/kWh
(平均 14.1 円/kWh)と他の電源に比べ割高なものとなっている。

近年、電気事業においては経営効率化の推進、これによる電気料金の低廉化が大きな政策課題と
なっている。これを背景として、一般に火力発電に比較してスケールメリットが得られにくく、
短期的な評価で発電コストが高くなりがちな地熱発電については、経済性の面で開発の
インセンティブが働きにくい状況にある。
一方、石油危機以降、石油等燃料を使用する火力発電に対するコスト競争力をある程度有していた
時期には地熱発電の開発が進んだ歴史があることから、他電源との相対的な経済性の動向に
よっては開発のインセンティブが高まる可能性はある。

地熱開発促進調査
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g90130b04j.pdf
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g81201a07j.pdf