今回の福島原子力発電所の姿を見ていると,電力会社の社員である私も,危険,恐怖を感じる。
想像だけど,この感覚を持つのは私だけではないのではないかと思う。

だけど,社内では一言でも危険,恐怖とつぶやくことはできない。
独裁国家か,戦争に勝つと言い張っていた昭和の陸軍の話しをイメージする。

このたびの事態があっても原子力開発推進の姿勢を変えないと伝達された。
異論を挟む余地の無いこのメッセージはどうなのだろう。
冷静さを失っているのか。企業の面子なのか。

大震災が原因とは言え,多くのお客様に迷惑をかけている。
復旧作業では怪我人も出している。
命にかかわる量ではないといっても地域の方が被爆している。
命にかかわらないから火傷しても良いなんていわない。

原子力開発の姿勢は変わらないというメッセージは何を意味するか。

福島原子力発電所の姿を見て,立ち止まって考えてみる。
本当に必要なことは,事実を受け止めることではないだろうか。
失敗を認められない。
チェックして修正しない。

今の社内は息が詰まる。
原子力の恐怖より・・・。
いや,立ち止まることを許さない。
危険を検証しないメッセージ。
この社内の雰囲気のほうが危険なのかもしれない。