>>940
生産技術の進歩とは具体的にはコンピュータの普及のことだ。コンピュータがオートメーションに
組み入れられたら劇的な生産力を持つし、事務職にしてもOAやITは効率を向上させる。

最初の内は商品のコストダウンとか品質向上などの恩恵ばかりだった。だから皆ハイテクが好きに
なったのだ。ところが、それをどんどん推し進めている内に、今度は需要以上の生産能力を持ってしまい、
供給過剰になった。簡単に言えば豊作貧乏というやつで、しかも、これは年々豊作になる一方なのである。
そうすると、モノは常にだぶつき、売れなくなってくる。つまり不況化するのである。それでも売らなければ
ならぬので、値段を下げる。するとデフレになる。生産量は増える一方なのだから、デフレはスパイラル化
するわけだ。

すると今度は生産調整をしなければならない。そのためにはリストラで雇用を減らせばよい。
おかげで失業者が増えたり、若者が採用されなくなったりする。しかも、新興国がハイテクを導入し、
生産拠点が新興国に移行するから、日本の雇用はもっと厳しくなる。
そこで、一人あたりの生産量を減らしてワークシェアリングをする必要が出てくるわけだ。ゆっくり働くとか、
機械使用をやめて人力に戻すという方法もあるが、もっとも一般的なのは時短である。残業をやめるとか、
休日を増やすとか。そうすると人間は遊ぶしか仕方ないではないか。中には勉強する人もいるかもしれないが、
その知識を利用してまた生産向上とか言い出すのは迷惑だ。
ワークシェアの問題は、給料が下がることと、全員が一斉にやらないといけないことだ。

ここでは全員一斉の問題だけ書くが、もしワークシェアをする者/しない者があると、しない方がコスト的に
優位に立ち、勝ってしまうのである。ワークシェアをしなければならないのに、した方が負けて淘汰され、
しない方が優勢にたっては困るのである。そこで全員が一斉にワークシェアしなければならない。
これは日本国内だけではなく、世界が一斉にワークシェアしないと、やはり国際間のバランスがとれない。
ワークシェアしない国に対しては保護貿易を発動するとかしないといけない。

生産過剰は経済や雇用そして環境負荷に対して大きな問題があるので是正しなければならないのだ。