佐賀県唐津市は16日、水道部の女性嘱託職員(39)が、水道料金約93万円を着服していたと発表した。同日付で女性を懲戒免職処分にし、水道部長ら6人を減給、戒告、文書訓戒した。

 唐津市によると、08年11月19日から先月23日までの間、窓口で納付された水道料金を、合計25回、総額93万7644円着服していた。督促状が発送される前に別の納付金を着服して穴埋めしていた。

 女性は2006年12月に臨時職員に採用、07年8月から嘱託職員になり、水道料金などを取り扱う窓口業務を担当していた。市民から「料金を払ったのに督促状が来た」などの問い合わせが2件あり、着服が発覚した。

 市の調査では、穴埋めに使ったのは45件67万6758円、未入金残高は17件26万886円で、女性が2日までに全額返済した。「子どもの校納金や生活費などに充てた」と話しているという。

 市は監督責任として、水道営業課長を減給10分の1を1カ月、同課係長2人を戒告、水道部長、同副部長、同部水道管理課長を文書訓戒とした。不正を認め、全額返済していることから「刑事告訴は考えていない」としている。

 坂井俊之市長は「信用を傷つけ、市民に多大なご迷惑をおかけしたことは誠に遺憾であり、深くおわびする」という内容のコメントを出した。