鉄鉱石:原材料高騰 製造、調達知恵絞る
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100718k0000e020018000c.html

 新興国の旺盛な鉄鋼需要を背景にした鉄鉱石などの原料価格高騰を受け、国内企業が対応を
急いでいる。デフレに伴う根強い消費者の低価格志向で、コスト上昇分を製品価格に簡単には
転嫁できないためで、鉄鋼会社は製鉄過程で出る“ゴミ”をリサイクルしたり、
メーカーは安価な海外製鋼材の調達を模索したりと、あの手この手で難局を乗り切ろうとしている。

 5月、新日本製鉄と神戸製鋼が建設計画を発表したリサイクル施設。従来は廃棄処分対象だった
「製鉄ダスト」から鉄鉱石の代わりになる「還元鉄」を製造する施設だ。

 ただ、日本の年間鉄鉱石輸入量約1億1500万トン(09年度)に対し、
施設の製造量はわずか15万トン。新日鉄幹部は「やれることは全部やるしかない」と話し、
自力で安い原料調達に努めると強調する。

 鉄鉱石価格の高騰は激しい。7〜9月期の価格は09年度比で約2.4倍の1トン=約147ドル。
メーカーが鉄鋼会社から購入する際の鋼材価格も高騰し、新日鉄とトヨタ自動車は先月、
上期(4〜9月期)の価格を1トン当たり1万9000円強の値上げをすることで合意。
前年度に比べると25%のアップだ。