石炭発電所の近代化に大型投資、削減目標達成に向け[公益]
http://news.nna.jp/free/news/20091208inr001A.html

温室効果ガスの削減目標を達成するため、各地の石炭火力発電所で環境配慮型設備の導入に向けた
投資が続々と実施される見通しだ。電力省傘下のエネルギー効率局(BEE)によれば、政府による
温室効果ガスの排出削減目標の達成に向け、2015年までに石炭火力発電所の近代化などに
計7,400億ルピーの投資が必要となる試算。インドでは発電向け燃料の多くを温室効果ガスの
排出が課題となっている石炭が占めており、政府は最新技術の導入などで対応を急ぐ構え。

ラメシュ環境・森林担当国務相は3日、国会で、国内総生産(GDP)当たりの温室効果ガスの排出量を
20年までに05年比で20〜25%削減するとの政府の数値目標を明言した。インド政府として、
具体的な数値目標を示すのはこれが初めてで、7日にコペンハーゲン(デンマーク)で開幕した
「国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)」での発言力を高める狙いとみられる。

一方、温室効果ガスの排出を抑えるために石炭火力発電所の改修や近代化が急務となっており、
BEEは政府目標の達成のために、向こう5年でこうした投資に計7,400億ルピーが必要とみている。
これが実施されれば、計9,850万トンの二酸化炭素(CO2)削減効果があるという。

現在、インドにあるすべての石炭火力発電所(総出力8万1,355メガワット=MW)から排出される
CO2は年間5億4,000万トンにも達する。また温室効果ガスの全排出量の約6割が石炭火力発電に
よって占められているのが現状だ。石炭は石油などに比べ埋蔵量は豊富だが、燃焼に伴う
温室効果ガスや大気汚染物質などの環境特性が課題となっている。しかも、急速な経済成長による
電力需要の増加に対応するため、今後も石炭による発電は増えることが予想される。