温暖化対策:EUが途上国に数千億円支援
http://mainichi.jp/select/science/news/20091208k0000e030077000c.html

 欧州連合(EU、加盟27カ国)は途上国の温暖化対策を支援するため2010〜12年の
3年分として計数十億ユーロ(数千億円)の拠出を表明する方針を固めた。10、11の両日に
ブリュッセルで開くEU首脳会議で具体的な金額を詰め、コペンハーゲンで始まった
国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で表明する。

 EUはこれまで途上国への短期支援について「コペンハーゲン会議の結果を踏まえて決める」
との立場を取ってきたが、交渉に弾みをつけるため拠出額を提示することにした。

 COP15議長国デンマークのムラー外相は毎日新聞の取材に、EUの拠出額を「3年間で
最大70億ユーロ(約9250億円)としたい」との意向を示した。EUの行政府・欧州委員会は
途上国の温暖化対策を促す短期的な国際支援として、10〜12年の3年間に
年間50億〜70億ユーロ(約6600億〜9250億円)が必要と見積もっている。

 COP15では温室効果ガス排出量の削減目標を巡って先進国と途上国が対立しており、
途上国支援は会議の成否の鍵を握る。デンマークはおひざ元のEUから応分の支援表明を取り付け、
交渉を進展させるテコにしたい考えとみられる。

 また、毎日新聞が入手したEU首脳会議の議長総括草案によると、EUはCOP15の政治合意を
「6カ月以内」に法的文書とするよう求める。EUの温室効果ガス削減幅を従来の「20年までに
1990年比20%」から「30%」に引き上げる決断は首脳会議では下さず18日まで続く
COP15の最終盤で決める。