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 ■急成長期待 巻き返し図る日本勢

 三洋電機は今年10月、米西部のオレゴン州に太陽電池の材料に使うシリコンウエハーの新工場を
稼働したほか、メキシコの組立工場の生産能力を2.5倍に拡大した。

 太陽電池の世界の出荷量は2015年に09年見込み比の約4倍の2000万キロワット超に膨らむと
予想されるが、09年に10分の1弱だった米国の割合が、15年には4分の1に急成長する見通しだ。

 海外勢も米国市場拡大への期待は大きい。中国最大手で世界シェア3位の尚徳太陽能電力
(サンテックパワー)は、南部アリゾナ州に米国では初の工場建設を表明。世界最大手の
独Qセルズもカリフォルニア州に営業拠点を新設し、米国内で販路拡大に力を入れ始めている。

 日本メーカーは世界に先駆けて太陽光発電システムを事業化し、00年代前半までは世界の
生産シェアの半分を占めていた。ところが、欧米や中台メーカーの猛追で順位が後退。
後塵(こうじん)を拝した日本メーカーは次の主戦場となる米国で主導権を握り、
失地挽回(ばんかい)とともに、業績浮揚の足がかりにしたい考えだ。