【2010業界展望】太陽電池 米で先手必勝 広い国土魅力、相次ぐ工場新設
http://www.sankeibiz.jp/business/news/091222/bsc0912220500000-n1.htm

 2010年はシャープなど日本の太陽電池メーカーが米国市場の開拓を本格化させる。
再生可能エネルギーの推進に積極的なオバマ政権下で、需要の先行きに期待が高まっているためだ。
市場を牽引(けんいん)してきた欧州での販売が減速している半面、国土の広い米国市場への期待は
高まっており、メーカー各社は工場建設や営業拠点の拡充など生産、販売体制の強化に相次いで乗り出す。
米国で、日本勢が先手を打って攻勢をかけることができれば、業界勢力図が塗り替わる可能性もある。

 日本メーカーでは4位の三菱電機は10年中にも米国で家庭向け市場に本格参入する。
現在、販売網の構築に向け、設備工事の有力専門会社をリストアップしている最中だ。

 米国では電力大手が新設を相次いで表明した太陽光発電所向けや、大型スーパーマーケットなど
業務用が中心だった。しかし、環境政策を重視するオバマ政権が今年、家庭向け太陽光発電システムの
助成制度を拡充したことにより、住宅での採用増も見込まれている。

 三菱は送配電制御などの電力技術を活用し、家庭向けから発電所まで幅広く展開する戦略に打って出る。
これに合わせて、日本から輸出する太陽電池をパネルに組み立てる工場を10年度中に建設する
検討も始め、需要増に迅速に対応する。

 日本最大手のシャープは09年6月に南部のテネシー州にある組立工場の生産能力を約1割増強。
10年3月末に稼働する堺工場(堺市堺区)からも米国向けにパネルを輸出できるようにし、
現地と国内双方で供給態勢を強化する方針だ。