COP15:「G2」動かず…実質合意見送り
http://mainichi.jp/select/science/news/20091219k0000m030108000c.html

 温室効果ガスの削減の具体策など懸案を先送りする国連気候変動枠組み条約締約国会議
(COP15)は、米中2カ国が動かなければ、どんな問題も解決しない現実を見せつけ、
両国が世界を主導する「G2」時代の到来を改めて予感させた。また、多数の国が一堂に会し
温暖化対策を話し合う“国連総会”型の協議方式が機能不全に陥っている実情も浮き彫りにした。

 ◇米大統領…合意を要求 中国首相…努力を強調
 オバマ米大統領は18日の首脳会合演説で、温室効果ガスの排出量を05年比で2020年までに
17%、50年までに80%以上を削減する米国の温暖化対策を強調。途上国の排出抑制計画への
監視・検証の徹底を求め、短期・長期支援は途上国の取り組みが前提条件との考えを示した。
「(国際合意を)不完全な枠組みと見なす国もあるだろうが、行動に移る時だ」と中印などを
念頭に合意を促した。

 一方、中国の温家宝首相は自国の削減努力を強調した上で、「会議の結果は京都議定書の原則に
沿ったものでなければならない」と述べ、先進国が削減義務を負う京都議定書の原則尊重を求めた。

 表向きは対立しているかのように見えた米中だが、COP15の場では直接協議を重ねた。
中国の交渉筋はロイター通信に「米国の懸念に応えるよう努力している」と話す。

 背景には2国間の協力で温暖化問題の解決をはかりたいとの米側の意向がある。
米中は再生可能エネルギー開発などで着実に協力を重ねている。

 米中間の親密さとは対照的に中国はCOP15の表の場では「途上国の代表」として、
あらゆる場面で先進国側と対立した。

 「われわれは同じ発展途上国だ。同じような歴史の悲劇と貧困解決という切迫した課題に
直面している」。温首相は17日、スーダンなど途上国5カ国代表と会談し、連携を呼びかけた。