COP15:注目は合意の実効性 インドも首脳会合出席
http://mainichi.jp/select/science/news/20091206ddm002030098000c.html

 京都議定書に定めのない13年以降の地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約
第15回締約国会議(COP15)が7日、コペンハーゲンで開幕する。当初、会議の最終日18日の
首脳会合に出席を見合わせていたオバマ米大統領が4日に一転、出席を表明。シン・インド首相も
出席することが判明した。「大きな弾み」(英政府)を得た会議が交わす「政治合意」はより
グローバルなものに「格上げ」される見通しとなった。

 シン・インド首相の出席は首相府が5日、毎日新聞の取材に明らかにした。オバマ大統領のほか
中国の温家宝首相らが相次いで出席を表明したことで国際的な圧力が高まり、決断したとみられる。

 米交渉筋によるとオバマ大統領は早い段階からCOP15に出席せざるを得ないと判断していた。
当初、ノーベル平和賞授賞式(10日)に合わせて、9日に演説するとしていたが、ホワイトハウス
では「首脳会合に欠席しての演説はCOP15軽視と見られかねない」との懸念も強まった。

 オバマ政権の積極姿勢に期待した内外の環境保護団体が反発。オバマ大統領が先週に電話協議した
メルケル独首相、ブラウン英首相、サルコジ仏大統領ら欧州首脳も首脳会合出席を促した。

 首脳会合出席をためらった理由は議会への配慮だ。米下院で可決した20年までに05年比17%の
温室効果ガス削減という「低い暫定目標しか提示できないため、オバマ大統領の指導力に疑問符が
付く可能性が高い首脳会合での議論に加わらない方が得策」(外交筋)との判断があった。議会と
国際世論のはざまで外遊日程が揺れ動いたというのが実情だ。首脳会合ではオバマ大統領に
削減目標引き上げを求める声が出るのは確実だが変更は難しい。

 会議で交わされる見込みの政治合意の有力案として浮上している「主要包括COP決定」は、
米中も含めたすべての締約国の賛成で採択される見通しだ。議定書のような法的拘束力はないが
「軽視できるものではない」(交渉担当者)という。