畑川ダム計画:府議会、政権交代で丁々発止 知事VS府議 /京都
9月30日17時0分配信 毎日新聞

前原誠司国土交通相が挙げる全国143カ所のダム事業見直しで、
その一つとして府が国の補助で京丹波町下山に計画している畑川(はたがわ)ダムが29日の府議会で取り上げられた。16日に仮締結した本体工事契約が審議対象。
共産党の前窪義由紀議員が代表質問で「政府の見直し姿勢を無視した建設強行」と批判したが、山田啓二知事は「地域要望が高い」などと続行に理解を求めた。
同ダムは地下水や谷水などに頼る旧丹波・瑞穂両町の上水道確保と治水のため92年度に事業採択された。
高さ34メートル、総貯水量196万立方メートルの重力式コンクリートダムで、完成目標は12年度末。
当初40億円だった総事業費は断層を避けるためなどで77億円に膨張。18・5%が町負担で残額を府と国が折半し、昨年度末までに用地費やつけ替え道路などに計37億3400万円が支出された。
8月24日に本体工事が21億6300万円で落札されている。
山田知事は「昨年の府公共事業再評価委員会で継続妥当とされた」などと説明。
前窪議員に「入札は駆け込みで再検討が必要。知事はいったん始めたダムは止められないのか」と再質問されると、
「残りの事業規模や違約金などを総合的に勘案し、今年度予算を交付決定した国の責任も踏まえている。
私も南丹ダムと福田川ダム(京丹後市)は中止した」などと反論。
さらに前窪議員が「町の人口は伸びる要素がない」と述べたのに対し、知事が「頑張っている地元を切り捨てるような発言はひどい」と逆襲する場面もあった。【太田裕之】
9月30日朝刊