広島豪雨:東広島で1人死亡 三原や呉、堤防決壊恐れで避難も /広島
7月26日15時1分配信 毎日新聞

活発な梅雨前線がもたらした長雨は25日、
東広島市で自宅にいた梅田サトシさん(91)と長男の静則さん(67)が土砂に流され、サトシさんが死亡するなどの犠牲を出した。
県内では他にも、三原市や呉市で堤防が決壊する恐れから避難騒ぎが起こった。
広島地方気象台によると、25日午後5時現在の24時間雨量で、東広島で観測史上最大の215・5ミリを、呉で7月の観測史上最大の223・5ミリをそれぞれ記録。
県南部では、26日午後にも激しい雨が予測されており、関係機関は注意を呼びかけている。
25日午前5時半ごろ、東広島市志和町内の土砂崩れ現場近くに住む鍛治川一行さん(63)は「ゴー」という音で起こされた。
「最初は雷かと思った」と振り返る。
屋外に出たら「大変な事になった!」と近隣住民が梅田さんの家を眺めていた。「ついに災害になったか」鍛治川さんはつぶやいた。
93年ごろ、現場裏山に産廃処理場建設計画が浮上した時は、反対運動に参加、業者に説明会を開かせた。
「田んぼが汚れたら、生活できなくなる」。
切実な気持ちを訴え続け、計画を白紙にさせた。
ただ、その後も地区外から大量の土砂が持ち込まれた。
「あの土砂が崩れたのでは」。恨みの雨を見つめた。【黒岩揺光、寺岡俊、星大樹】
◇住宅1棟全壊、8棟が一部損壊−−22棟で床上浸水
県は25日午前に災害対策本部を設置。
同日午後3時現在、土砂崩れなどにより住宅1棟が全壊、8棟が一部損壊。
また、22棟で床上浸水、114棟で床下浸水した。
また、三原市で約4000世帯約1万人、呉市内で78世帯226人に川の増水などで避難勧告が出されたが、同日午後に解除された。
熊野町では、土砂崩れにより1世帯2人に避難勧告が出されている。このほか、県内で100世帯191人が自主避難した。
県関連の施設では、江田島市の大柿高校で校舎内に浸水、電話が不通になるなどの影響が出た。
竹原市の県史跡頼惟清旧宅の壁土が一部崩れた。【加藤小夜】
7月26日朝刊