柏崎刈羽原発 起動には謙虚で慎重な判断を
ttp://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090302k0000m070074000c.html

 新潟県中越沖地震から1年半がたつ。東京電力の柏崎刈羽原発は想定を超える揺れに見舞われ、
7基すべてが止まったままだ。

 このうち、もっとも被害が小さかった7号機を再び起動し、運転を再開する準備が進められている。
東電は原発を止めたままできる試験を終え、実際に動かして行う試験を開始する予定だ。

 その試験計画を、経済産業省の原子力安全・保安院と、内閣府の原子力安全委員会が了承した。
原発の安全性をダブルチェックする国の両組織が起動を認めたことになり、地元が了解すると試運転が始まる。

 保安院は検査官による点検や審議会の議論などを通じて、東電の評価を追認している。
安全委は東電と保安院の報告を吟味している。いずれも、自信を持って判断しているはずだ。

 とはいえ、それで市民の不安が払しょくできるとは限らない。地元では専門家をメンバーに加えた
県の技術委員会で議論が続いている。東電や国は最後まで謙虚な姿勢で対応し、疑問に答える必要がある。