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 見逃せないのが、ウラン燃料が壁に突き当たっていることである。

 ウラン燃料を燃やすとプルトニウムが生まれる。プルトニウムは長崎型原爆の原料
であり、取り扱いに高度の慎重さが要求される。日本の原子力委員会はプルトニウムを
殖やして使う高速増殖炉計画を進めてきた。しかし6000億円を投じて福井県敦賀市に
建設した原型炉「もんじゅ」は1995年12月のナトリウム漏れ事故以来動いていない。

 日本原子力研究開発機構は同炉を来春に再稼働させる予定だ。しかし「もんじゅ」は
1次系2次系、そして3次系までの配管を持ち、かつ1次系と2次系は水や空気に触れ
ただけで発火する液体ナトリウムを回す。軽水炉に比べて極端に複雑かつ神経を使う
プラントである。来春の再起動を成功させ、運転実績を積み、さらに実証炉を経てこれを
商業化できると考えるのは、むしろ夢想の世界に近くなってきている。

東電元副社長の“造反”