>>407の続き

 高速増殖炉もんじゅ(福井県)がナトリウム漏れ火災事故を起こした翌月の96年1月。
原発が集中する福島、新潟、福井3県の知事は、「原子力政策について、国民の幅広い議
論を行い、合意形成を図ること」と首相に要望した。

 そして、国は97年、高速増殖炉に国民の意見を反映させるためとして「高速増殖炉懇
談会」を発足。原子力政策そのものの是非が問われた。

 だが初会合の17日前、「プルサーマルを早急に開始することが必要」との閣議了解が
なされる。

 懇談会の委員16人のうち、唯一、反対の立場だった九州大大学院の吉岡斉教授(56)
=科学史=は「原子力政策を早く元の軌道に戻そうとする通産省(当時)の“暴走”で、
3県知事が求めた国民的合意形成が割愛された」と憤る。