>>400の続き

 一つはMOX燃料中のプルトニウムが燃えても、ウランが中性子を吸収することでプルトニ
ウムとなるため、プルトニウムが次から次へとたまり続けることだ。これは原爆の原料になる
として、諸外国から疑惑の目で見られている。

 もう一つは、半減期が長く、放射能が高く、かつ発熱量の大きいアクチニド元素(超ウラン
元素)が大量に発生することだ。これは高レベル廃棄物の処分場の面積がウラン燃料に比べ大
きくなることにつながる。当然処分費用もかさむ。また、この使用済み燃料をどう処理するか
の見通しがない。

 アクチニド元素を高速炉で消滅させる考えもあるが、技術的、経済的に実現の見込みは全く
ない。

 では、再処理で回収したプルトニウムをどう活用すべきか。その解決策は、ウランの代わり
にトリウムにプルトニウムを混ぜた燃料を軽水炉で燃やす「トリウム発電炉」の導入である。