玄海原発:プルサーマルの足音/5 安全性 /佐賀
http://mainichi.jp/area/saga/news/20090923ddlk41040288000c.html

 ◇実績のない高濃度

 「灯油のストーブでガソリンを燃やすのと同じだ」。
 京都大原子炉実験所の小出裕章助教(60)=原子核工学=は、プルサーマルをそう例える。
ウラン燃料を想定して設計された原子炉でMOX燃料を燃やすからだ。

 小出助教はMOX燃料がプルトニウムを含んでいることから(1)プルトニウムは核分裂や
すく、原子炉を停止する制御棒の効きが悪くなる(2)ウランとプルトニウムの燃え方が異な
るため燃焼にむらが生じ、燃料管が破損する恐れがある(3)プルトニウムの溶融点はウラン
より低く、燃料が溶けやすくなる−−と指摘。

 対する九州電力は(1)効きはわずかに悪くなるが停止能力は十分(2)出力が不均質にな
らないように燃料の配置を設計する(3)異常時でも溶融点まで余裕があり、溶けることはな
い−−と反論。「国の検査を受けて運転に入るので問題ない」と言う。