玄海原発:プルサーマルの足音/2 使用済みMOX燃料 /佐賀
http://mainichi.jp/area/saga/news/20090920ddlk41040277000c.html


 ◇行き場のない不安抱え

 武装した船上の警備担当者や警察官が見守る中、長さ約6メートルの黒い円柱がクレーンで
つり上げられ、専用岸壁に止まったトレーラーに載せられた。プルサーマルに使われるMOX
燃料16体が入った専用容器だ。5月23日、仏・シェルブール港から約2カ月半かけて九州
電力玄海原発に到着した。

 原発の外では、市民団体が「核の墓場にするな」などと書いた横断幕を掲げ、気勢を上げた。

 原発から約5キロの所で養蜂業を営む吉森康隆さん(62)は「使い終わったMOX燃料は
行き場がない。玄海町に永久に残されるのではないか」と険しい表情を浮かべる。

 ◆  ◆  ◆

 九電によると、原子炉に装荷後、おおむね3年で取り出される使用済みMOX燃料の放射線
量は、1時間あたり10万シーベルト(※)。
 使用済みウラン燃料と同じ量というが、放射線の減り方が遅いため、原発内の貯蔵プールに
保管する期間も長期化する。

 ※放射線を受けた量で人体への影響を測る単位。原発労働者など放射線業務従事者の法定許
容量は年間50ミリシーベルト。