再処理工場で洗浄2カ月以上中断
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2009/20090519135442.asp

 六ケ所再処理工場の高レベル放射性廃液漏れで、セル(コンクリートで仕切った部屋)内の汚染した機器や
配管の洗浄作業が二カ月以上も滞っている。1月の漏えい発生からは、すでに4カ月が経過しており、反核燃派
からは硝酸成分などを含む廃液が機器に及ぼす影響を懸念する声が出ている。

 使用済み核燃料の再処理で出る高レベル廃液は、硝酸や核分裂生成物、金属粒子(白金族元素)が主な成分。
強い放射線を発するが、原燃は、セル内の機器は大半がステンレスで耐酸性もあり、劣化はないとしている。

 しかし3月に起きた作業クレーン設備の不具合の原因が、蒸発した硝酸成分による「さび」だったことが、
4月になって判明。当初「設備への影響はない」としていた原燃は、同様の原因でさびが発生する恐れのある
約220カ所の点検を行うことになった。

 ガラス溶融炉2台が置かれているセルは、関係者によると「ちょっとした体育館の広さ」。漏れた約150リットル
の廃液のうち、床の受け皿で直接回収したのは約16リットルだけで、約130リットルは蒸発したとみられている。

 「蒸発した硝酸の影響がどこに出ているか分からない。セル内に人が入れない以上、すべての個所の点検は困難。
溶融炉の再加熱はすべきでない」と、元大阪府立大講師で反原発団体「美浜の会」(大阪市)の小山英之代表は訴える。