新型遠心機の導入本格化/六ケ所ウラン濃縮工場
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2009/20090511112405.asp

 六ケ所ウラン濃縮工場への新型遠心分離機導入に向けた動きが、いよいよ本格化する。日本原燃は本年度後半から、
六ケ所村内で新型機の組み立てを始める予定。2010年度からの濃縮開始を目指した開発計画は最終段階に入る。

 新型遠心分離機群に六フッ化ウランを実際に供給し、性能を確かめる「ホット試験」は、07年11月から濃縮工場
敷地内の研究開発棟で続けられている。新型機は、回転胴を現行の金属製から炭素繊維を使った「複合材」に切り
替え、形状を細長くしたのが大きな特徴。現行機に比べ、4−5倍の濃縮能力があるとされる。

 一方、同村尾駮地区では、昨年から新型機の製造工場の建設が進んでいる。九月末には完成する予定で、本年度中
にラインの最終確認を含めた製造テストに入る。部品は国内メーカー30社余りから調達。この中には県内企業三社も
入っている。

 原燃は濃縮工場内の現行機を撤去した後、組み立てた新型機を次々に据え付け、10年度末から生産運転を開始する
予定。段階的にリプレース(入れ換え)を進め、20年度ごろをめどに生産規模を年間1500トンSWU(分離作業単位)
まで引き上げる計画だ。

 濃縮工場では、すでに大半の生産ラインが停止。新型機の投入は事業の存続をかけた挑戦となる。兒島伊佐美社長
は「海外と比べても決して引けを取らない性能を持っている」と自信をみせる。